禅語は最高 疾風知勁草 人の真価は逆境のときにわかる

2024年12月12日

禅は難しいし禅語も難しい。だから勝手に解釈して勝手に良いと思っている。慧能禅師や道元禅師、一休さんや良寛さんも「それで良い、それで良い、Let it be じゃ」と言ってくれそうな気がする。

今日は「疾風知勁草 疾風に勁草を知る」である。

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たった一人、光武帝を助けた王覇

「疾風に勁草を知る」は後漢書の王覇伝にある味わい深い言葉だ。

劉邦は、庶民から身を起こし紀元前202年に漢を建国した。漢は長く繁栄を続けたが奸臣王莽に簒奪され紀元8年に滅ぶ。王莽は、現実を無視した政治を行ったので社会は乱れ民は大いに苦しんだ。洪武帝はそれを見かねて王莽を倒そうと挙兵した。しかし戦況は振るわず臣下は一人また一人と去っていった。

最後に残ったのは王覇ただ一人。「而子独留努力、疾風知勁草 (子独り留まり努力する、疾風に勁草を知る)」と洪武帝はしみじみと語った。みんな私のもとから去っていったが、君は一人残り助けてくれる。人の値打ちは厳しいときに初めてわかるものだ。後に洪武帝は王覇と共に王莽を倒して後漢を建国した。

勁草は強い草であり疾風は疾く激しい風である。疾風に勁草を知るとは、普段は同じように見える野原の草にも強い草と弱い草がある。激しい風が吹くと折れない草(勁草)と折れる草がわかる。人も同じで逆境になると強い人と弱い人がわかる。人の真価は逆境に現れるのである。

宋書に似た言葉がある。「疾風知勁草 厳霜貞木」厳霜貞木は、厳しい霜が降りると枯れない木(貞木)を知ることができる。疾風に勁草を知ると同じ意味だ。私たちの周りにはたくさんの人がいる。漠然とつきあっていると誰が勁草かわからない。逆境に置かれる前に勁草を見極める努力が必要である。そして自分が勁草になれるように努力しないといけない。

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ウクライナに吹き荒れる疾風と勁草

いま世界中に疾風が吹き荒れている。ロシアはウクライナに侵攻し中国は覇権主義を続けている。イスラエルとハマスの戦いは終わらない。惨状は目を覆うばかりだ。ロシアはウクライナを簡単に踏みしだけると思ったが、ウクライナの人達は勁草だった。プーチン大統領は彼らの強さを見誤った。

王覇のような人たちがゼレンスキー大統領を支えている。彼らは逆境にあっても大統領のもとを去らなかった。プーチン大統領の傍に王覇のような人物はいないようだ。プリコジンが去りルカシェンコが支えるのみである。両者の差は大きい。ウクライナは逆境にあるがいつか平和を取り返す。王覇のいないロシアは苦難の道を歩むだろう。

疾風が吹き荒れる今の世界、すべての人が勁草であるかを試されている。

禅語

Posted by 街の樹